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Interview

京都 川端商店

サステナブルな染色技術『新万葉染め』

「京都 川端商店」のはじまり

1924年に呉服店として創業した京都川端商店は、1995年に呉服業を廃業し、新たに京都・唐橋に捺染工場「カワバタプリント」を設立。そこで、工学博士の木村光雄教授が開発した染色技術「新万葉染め」を商品化しました。

さらに、2013年には「草木染めストール」の直営店舗「川端商店」を開店。2017年には五条から壬生に工場を移転し、社名を「京都 川端商店」に変更し、新たなスタートを切りました。

「人と地球に優しいモノづくり」をコンセプトに、独自の染色技術『新万葉染め』を用いて染色を行っているのが「京都 川端商店」です。


新万葉染めとは

日本古来から使用されてきた天然の色材をそのまま活用する技術です。基本的には、草木や虫などの自然由来の原料を使用した「草木染め」に基づいていますが、独自の技術を駆使することにより、少量の原料で多彩な配色を再現することが可能となる点が特徴です。


草木染めストールの魅力

・こだわりの素材

川端商店の主力アイテムであるストールには、愛知県知多地域で織られた『知多木綿』を使用しています。この木綿は薄手でとても軽く、通気性に優れているのが特徴です。巻いた際の風合いは柔らかく、さらに新万葉染めで染めた鮮やかな色彩が、その魅力を一層引き立てています。

 

・こだわりの染料

赤系に「インド茜の根」、「コチニール」

黄系に「マリーゴールド」、「槐(えんじゅ)の花弁」

青系に「ログウッド」、「ビオラの花弁」、「クチナシブルー」

 

特にマリーゴールドや槐(えんじゅ)に関しては、自社で栽培したり、公園などで植栽されているものを回収し、染料として活用しています。さらに、季節限定で梅の枝や菊の花、菖蒲の花なども使用することがあります。

 

・職人の技

染色を主軸にする前は、捺染技術を活かしてTシャツのプリント事業を手掛けていました。その経験で培った配色の知識が、現在の染色における色出しに特に活かされています。


大切にしていること

・サステナブル

『新万葉染め』を用いた染色では、自然由来の材料にこだわり、廃液の処理がしやすいよう配慮しています。また、捨てられるはずの植物を回収し、それを染料として再生するなど、サステナブルな染色方法を大切にしています。


おすすめ

当社では、ストールをはじめとする製品に加え、ご自宅で衣類を染められる染色キットも販売しています。また、工場では染色体験できるワークショップも開催していますので、ぜひご参加いただき、実際に染色の魅力を体験してみてください。


印象に残っているエピソード

・新万葉染め体験キット

ある催事で出店していた際、当店の商品に強い興味を持っていただいたお客様が、商品の購入だけでなく、実際に染色を体験したいと工場に足を運び、ワークショップに参加してくださいました。そのお客様はその後、当店から購入した染料を使ってオリジナルの商品を作り、販売するようになり、別の形で新たなビジネスを展開されました。このようにお客様と新たな形で繋がることができたことは、とても印象に残っています。


これからどんな狼煙をあげていきますか?

地球環境の劇的な変化に対応し、サステナブルな染色を実践しながら、「人と地球に優しいモノづくり」を今後も継続していきたいと考えています。


記事協力企業

本記事は、【京都 川端商店】のご協力のもと作成いたしました。

▼京都 川端商店公式HPはこちら


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