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Interview

「京都でしか出会えない」京友禅『SOO-ソマル』

染屋さんのはじまり

日根野勝治郎商店

昭和27年、初代日根野治郎が壬生町に店を構えました。
現在は西陣に店を移し、三代にわたり京染め悉皆業しっかいぎょう※(1)を営んでいます。

日本でも有数の染めの産地として知られる京都。
長年にわたり蓄積してきた膨大な図案や友禅型、染見本を活かし、高い染織技術を誇る150以上の専門加工業者と連携しながら、京染めの総合プロデューサーとして、また京染めの未来を担う企業として、丁寧なモノづくりに取り組んでいるのが『日根野勝治郎商店』です。

 

※(1)着物の加工やメンテナンス全般を請け負う業種のことです。


日根野勝治郎商店のしごと

日根野勝治郎商店は昭和27年に私の祖父が創業し、代々、京友禅の悉皆業を営んでおり、現代風に言えばプロデューサーのような役割を担っています。

 

これまで主に着物の染色を中心に仕事をしてきましたが、時代の変化に伴い、近年は着物以外の生地の染色も増えてきました。

 

京友禅は非常に精密な分業体制を取っており、多くの職人と協力しながら日々染色の仕事に取り組んでいます。職人の卓越した技術を最大限に活かし、多様なアイテムや素材に対応して、様々なご要望にお応えしています。


京友禅ブランド『SOO-ソマル』

着物の市場規模は1973年ごろをピークに、2023年の呉服小売市場規模は2,200~2,300億円となり、50年で市場規模は100分の1に減少しています。

 

この状況を受け、2015年頃、京都友禅青年会議所のメンバーが新市場・新商品の開発に取り組むために勉強会を始め、その活動から「SOO-ソマル」が誕生しました。

 

『SOO』の想い

メンバーが京友禅の染色に携わっていることにちなんで、この名前をつけました。

屋号は「そ」を〇で囲み、「染まる」と呼ばれることをイメージして名付けました。

 

京友禅の技術

すべて手作業で、着物と全く同じ工程で職人さん達と制作しています。 生地には、着物用の絹の生地から「拭く」ことに適した素材を選び、普段は着物の図柄を描いている絵描きさんにデザインを依頼しています。

着物を染める板場でおふきを染色し、その後、蒸し、水元、整理と着物と同じ製造工程を経て仕上げます。

最後に1枚1枚ハサミでカットし、着物を保管する際に使う「たとう紙」をリサイズしたパッケージに入れて完成です。


店頭で手にする喜び

私たちの日常生活はモノに溢れています。

ネット環境の発達により、欲しいものは簡単に手に入る時代です。

しかし、SOO-ソマル-の製品は、普段の生活に取り入れやすいアイテムでありながら、 ブランド立ち上げ以来「京都でしか販売しない」 「ネットや通販では販売しない」 というポリシーを貫いています。

そのため京都にある取扱店舗の店頭でのみ手に取ることができます。

また基本的に一点物として制作しており、店頭で気に入ったアイテムを見つける楽しさを提供しています。

日常生活に取り入れやすいアイテムを「特別な購買体験」を通じて、手に入れていただくことをこれからも追及し続けます。


未来へのチャレンジ

私は職人として直接制作に携わるのではなく、プロデュース、ディレクション、デザインを通じて染色を進めているイメージです。

京都の染色技術や意匠力は、世界と戦えるレベルにあると確信しています。

これからも京友禅の技術をさまざまな分野に広げていけるよう、活動を続けていきたいと考えています。


ぜひお気軽にお手に取ってみてください

『京都の染屋がつくった』

SOO-ソマル-は京友禅の製品を気軽に手に取ってもらいたいと言う思いから立ち上げたブランドです。また『京都の染屋がつくった™』 というブランド名でも京友禅製品を制作しています。

本業は、現在でも着物を中心とした染色を行っており、染色を通じて形にしたいイメージがあれば、ぜひご相談ください。


メッセージ

株式会社 日根野勝治郎商店 代表取締役社長 日根野 孝司

現代の生活様式では、日常的に着物に触れる機会は少なくなっています。

SOO-ソマル-の製品は、気軽に日常生活に取り入れていただけるアイテムです。

京都にお越しの際には、ぜひ手に取っていいただけると嬉しいです。


さいごに「これからどんな狼煙をあげていきますか?」

京友禅は世界に誇れる日本の伝統産業の一つです。

着物の染色だけにとどまらず、さまざまな分野の方々と協業し、さらにその魅力を世界に広めていきたいと考えています。


記事協力企業

本記事は、【株式会社日根野勝治郎商店】のご協力のもと作成いたしました。

▼株式会社日根野勝治郎商店公式HPはこちら


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