Interview
佐瀬工業所
風鈴職人・佐々木定次郎氏が日本で開発した筆記具は、
その滑らかな書き心地とインクの持ちの良さで、瞬く間に世界中に広がりました。
その発祥の技術を唯一受け継ぎ、
今なお製作を続けているのが、佐瀬工業所です。
代々受け継がれる職人の技によって、ガラスペンの本来の魅力を守り続けています。
現在、佐瀬工業所でガラスペンを手掛けているのは、職人・良知義浩さん。
妻の実家が佐瀬工業所だったことをきっかけにこの道へ入り、
唯一の継承者として技術を守り続けています。
「日本発祥のこの技術を絶やさず、未来へと繋げたい。」
その強い想いで、今日も1本1本、丁寧にガラスペンを作り続けています。
佐瀬工業所のガラスペンは、
方向性がないため右利き・左利きを問わず、誰でも自由に使うことができます。
一度インクをつければ、
ハガキ1枚はゆうに書けるほどのインク持ちの良さが特徴です。
「見た目がガラス製で棒状であればガラスペンと思われがちですが、そうではありません。」良知さんはそう語ります。
大切なのは、インクの持ちと書く線の均一性です。
ガラスペン本来の性能を守り続けているからこそ、
毎日使える道具として、多くの方に愛されています。
製作で最も難しいのは、やはりペン先です。
このペン先には、インクをしっかりと保持し、
滑らかに書くための8本の溝が刻まれています。
「まともなペン先が作れるようになるまでには、10年以上かかります。」
良知さんは全てのガラスペンを試し書きし、
インクの出方や持ちを一つひとつ丁寧に確認しています。
これは、工芸品でありながら筆記具としての性能を第一に考える、
佐瀬工業所ならではのこだわりです。
印象に残っている出来事を伺うと、
良知さんはこんなエピソードを教えてくれました。
「昨年の催事で、18年前に当社のガラスペンを購入された方が来てくださって、今でも毎日、日記を書くために使っているとおっしゃってくれたんです。言われたときは、本当に嬉しかったです。」
道具として日々使い続けられること。
それこそが、ガラスペン職人として何よりの誇りだと語ります。
「これからも日本全国を回り、催事や展示会で“本物のガラスペン”の魅力を伝えていきたいと思っています。実際、他社製のガラスペンを買ったけれど書けなかった、インクが持たなかったという理由で、当社のガラスペンを求めて来られる方が非常に多いんです。」
良知さんが作るガラスペンは、
筆記具としての性能と工芸品としての美しさを兼ね備えた逸品です。
その一本が、使う人の日常を、より豊かに彩ってくれることでしょう。
本記事は、【佐瀬工業所】のご協力のもと作成いたしました。
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